中国出稼ぎ農村における農地流動化の特徴と展望 一黒龍江省鶏西市H村の事例から一

摘要

中国における個別農家間の農地使用権の貸借につ いて，農業部『全国農村社会経済典型調査数据彙編(1986-1999年）』（標本調査）によれば，個別農家 の耕地面積に占める借地（転包）面積の比率は，93 年2.4%, 96年3.6%, 99年4.7%と上昇した.そし て，2007年に実施した第2回農業センサスでは 11.2%になる（実績値は06年）.省別では，上海 28.4%,黒竜江28.0%，浙江24.7%，福建22.0%が 特に高い.また，村内における貸出農家割合では， 全国平均6.9%に対して，上海32.4%,浙江26.2%， 北京21.7%，福建20.8%が突出している.このよう な農地流動化率の地域間格差に関して，山本[1] ゃ史、買[3]らは兼業機会の希少性に着目して， 在宅兼業機会に恵まれた浙江省で高く，地域労働市 場が狭隘な山西省で低いことを検証している.