農のサイエンスQ&A: 土壌肥料.植物栄養. 食品に関する基礎知識

摘要

塩基飽和度、石灰飽和度、苦土カリ比など塩基バランスは、農作物栽培にどのような影響を及ぼすのか？A.農作物を栽培する時、肥料に開しては、目的の農作物ごとに窒素、リン酸、カリの三要素のほか、石灰や苦土などの成分それぞれの必要量を把握し、それにしたがって施用することが重要である。必要量は、植物が吸収する分、土壌が強く吸着してしま、つ分、土壌中から下層に流亡する分、空気中に飛散する分、雑草や土壌中の微生物が吸収する分、などすベてを含めての量となる。そして、施用は土壌中に含まれている比較的利用しやすい前作の残存量を知り、さらに作物ごとの生育ステ—ジにあわせた施用量が求められる。これらは、施肥量に関して「絶対量」の問題となる。農作物を良好に育てるには、施肥や土壌中の成分量に関して、それらの絶対量のほか、各種成分の比率や、土壌が最大に吸収できる「保持容量(保肥力)」に対して、どのくらい含まれるのが良いかといつたことも問題となる。そのような保肥力の何％を成分が埋めているかを表すのが、塩基飽和度や石灰飽和度、苦土飽和度である。そして、各種成分間の比率を表すものが「苦土カリ比」や「石灰苦土比」である。