科学の目：カキの組織、細胞培養

摘要

我々の研究室では、日本各地から収集したカキの遺伝資源を活用し、新品種を育成するための台秤技術の開発に関する研究を続けているが、その一環としてカキの組織、細胞培養に関する研究を行ってきた。 ここでは、その概要について紹介したい。 挿し木発根性の低いカキの繁殖は接ぎ木によって行われてきた。 したがって、カキにはリンゴのわい性台木のような栄養系のムU木は存在せず、また台木の市種も行われてこなかった。 そこで、茎項培養によるミクロ繁殖の方法を検討した。 その結果、冬期に採取した休眠枝腋芽の項端部を材料にしてゼアテンあるいはBAを添加したMS（1／2N）培地で培養することでシュートの増殖を行うことができた。 増殖したシュートの発根は、IBA処理と暗黒処理によって可能であった。