高潮、津波、潮風による農作物の塩害対策

摘要

農作物の「塩害」は、海水からもたらされる塩分のために農作物が生宥障害を受けて減収や品質劣化を招く被害の総称であり、その被害は発生メカニズムの違いにより、塩水害、塩風害(潮憂)、塩土害の3つに分類される。ここでは、それぞれの被害の発生メカ二ズム、対策等について紹介する-塩水害は、台風による高潮.高波、地震による津波、異常潮位、海水の溯上(そじょう)の発生などにより、海水が農地に侵入した場合に生じる。海水の塩分濃度は約3万5000ppm (3.5%)であるのに対して、作物の耐塩水まは漼救水で1000-3000ppmであることから、農作物全体が冠水した場合は被害が甚大であるが、土壌の部分的な冠水であつても生育阻害、ひいては枯死に至る場合もある。また、速やかに退水した場合でも土壌に塩化物が残留するため、除塩対策が必要となる。