日本ホウレンソウ紀行

摘要

スーパーの棚に並ぶ「あきたこまち」の米袋から、いつの間にか市女笠の秋田美人、小野小町が消えてしまった。 新しい図柄は、どこかで見たことのある若者である。 「これから秋田を訪ねるので見過ごすことはできない」と調べてみると、若者は秋田出身の漫画家、矢口高雄の描く「つりきちさんぺい」だった。 小野小町の偽物が多く出回ったため、著作権を明らかにすることで違法なコピーを防止するために取った方策だそうだ。 秋田県を米の産出額全国第2位に押し上げている「あきたこまち」は、母「コシヒカリ」から生まれた初めての子で、1984年に秋田県で育種、誕生した。 財団法人日本穀物検定協会の食味試験で最高の評価を得て以来、母親を超えた食味が今なお全国で人気を博している。