第2回施設栽培における環境制御とUECSキット

摘要

施設栽培では土地、資本、労働の生産性を最大化する、すなわち、生産要素の投入量に対していかに生産量を上げるかが非常に重要である。そのためには作物にとって好適な環境を整え、収量あるいは品質を上げ、生産にかかるェネルギ—や作業などの省力化を図り、コストを削減するための工夫が必要となる。そこで最も必要とされることが環境制御である。前回、施設園芸における環境制御の現状について紹介した通り、日本では大規模施設は少なく中小規模の従来型施設がほとんどである。そのなかには、長年の経験と勘を信じ、ハウス内の環境を把握していない生産者も多く、施設内の環境や生育データを基に制御を行う生産者はごくわずかである。特に、環境モニタリングや制御のための投資に消極的である。このような現状を打破し、中小規模施設での生産技術の底上げを実現するには、UECSを活用した低コスト環境ある(図1)。光合成を簡単に説明すると、二酸化炭素と水を材料に、光エネルギーを利用して糖(同化産物)を作る反応である。