産地存亡の危機から 出荷量倍増へ

摘要

共同洗浄選別施設の導入で産地の立て直しに成功.後継者不足に高齢化……。多くの産地が抱える問題から存亡の危機にあったJA市原市姉崎 蔬菜組合（豊田博組合長=写真1)。個々の生産規模を拡大すれば、組合員が減少しても出荷 量を維持できるとの考えの下、共同洗浄選別施設を導入し、見事に産地の立て直しに成功した。衰退する産地背水の降の決断「姉崎だいこん」の産地として知られる千葉県のJA市原市姉崎蔬菜組合は、1982年に同市深城の農家を中心にお戸で設立され、秋冬ダイコンは88年に、春ダイコンは2001年に国の野菜指定産地になつている。しかし、後継者不足に加えて、組合員の高齢化が進み、組合員は徐々に減少2006年には18戸にまで減つてしまつた。このままでは従来の出荷量を維持することは難しくなる。産地存続の危機に直面したことで、組合の若手を中心に対策が検討された。同組合監事の泉水良仁さん(写真2)がこう説明する。「組合員数が減っても、個々の経営規模を拡大すれば、従来からの出荷量を維持できると考えました。しかし、それまで個別の農家ごとにダイコンの洗诤、選別、箱詰めを行っていたため、収穫後の作業に大きな労力を取られ、規模の拡大は困難でした。そこで、労働時間の軽減を目的に、収穫後の出荷作業を共同で行う施設の導入が提案されました」.