大学と地域と中間支援一岩手県内の地域づくりの現場から一

摘要

本稿に与えられたテーマは，「大学の役割の一つであ る地域貢献について，地域でも大学でもない第三者，も しくは結節機関である中間支援組織から見て，現場の経 緯ゃ課題.そして成果は何か」ということである。筆者が所属するNPO法人は，平成17年に設立されて以降， 農山漁村地域を対象とした住民主体の地域づくりを支援 する中間支援型のNPO法人として活動を続けてきた。 当センターの立ち上げ者であり.代表理事として組織を 引っ張っているのは岩手大学農学部の教授であり，大学 としての立場や機能とNPO法人としての立場や機能の 両方を備えていることから，大学に期待されることや課 題を判別することは困難な面もある力5,改めて振り返る と両機能を使い分けることもある。そのため，これまで の経験を踏まえ，地域づくりや復興の過程を振り返り. 大学に求められる役割とその役割発揮のための課題を整 理して紹介してテーマに応えたい。