内発的発展論の課題:地域の内と外の視点からの検討

摘要

日本の内発的発展論の起点は次の三つとされている。第1は1975年の国連経済特別総会報告『何をなすべ きか』の中で，「もうひとつの発展」の属性として「内 発的」という言葉を用いたのが最初との紹介である。第2は1969年に鶴見和子がァメリ力社会学と日本民 俗学を比較検討する中から，近代化の過程を内発的発展 (土着的発展者）と外発的発展（おくれてきたもの）と 区分し，社会の基層をとらえるためには内側からとらえ る方法が必要であると論じたことである。