ミナミキイロアザミウマの防除対策

摘要

ミナミキイロアザミウマ（以下、ミナミキイロと略す）は一九七〇年代終わりに日本に侵入して以来、野菜、花き類の主要害虫の一つとなっている。 特に、ナスでは本種によって果実が加害されると、その外観が損われ、市場価値が著しく低下する。 そのため、本種はナス生産者にとって大きな脅威となっている。 ミナミキイロは熱帯 珌劅釒≡bで、短日条件でも休眠しないことから、冬期でも施設内で増殖できる。 そのため、周年的に施設と露地栽培作物で発生を繰り返すことになる。 露地栽培ナスにおけるミナミキイロの発生パターンは施設でのナス栽培との関連が強く、筆者らが粘着トラップを用いた調査では（図1）、施設でのナス栽培が終了し、ナス株が切除される七月上中旬の比較的短期間に成虫が施設から露地栽培ナスへ分散することが明らかになった。 その後、ミナミキイロは露地栽培ナスで発生を繰り返すが、九月中下旬に施設での栽培が始まると、施設へ移動すると考えられる。