夏秋ピーマン圃場でのトマト黄化えそウィルス（TSWV)と ミカンキイロアザミゥマを含めた総合防除の取り組み—3.媒介虫ミカンキイロアザミゥマに対する防除対策の確立一

摘要

大分県のピーマン産地において，トマト黄化えそウイルス（以下TSWV)の発生が問題となったなかで，その 防除対策として前作のピーマン残渣の除去による耕種的 防除対策および媒介虫であるミカンキイロアザミゥマの 密度抑制が重要であることが判明した（岡崎，2014)。 ここでは，ピーマン生育期間中でのミカンキイロアザミ ゥマの防除対策について検討し，有効な薬剤の選定と併 せて，生物的防除対策の組合せを検証した。本研究では， まず有効な薬剤を明らかにするとともにスピノサドでは 感受性低下個体群を初確認した。さらに捕食性天敵のス ワルスキーカブリダニ Amblyseius swirskii Athias-Henriot を実際に現地ピーマン施設に放飼し，ピーマンでの定着 性とミカンキイロアザミゥマに対する防除効果を検証し た。これらの結果を踏まえて，ミカンキイロアザミゥマ に対する有効な防除対策を提案する。