ツキノワグマ保護管理における基礎自治体の役割と今後の展望：岩手県盛岡市と長野県軽井沢町を事例として

摘要

近年，農林業被害や人身被害など人と野生動物とのあつれきが急増し，その解消が課題となっている。 これまでは基礎自治体注によって，被害発生に対して駆除を行うという対処療法が主であった。 しかし，そうした対応の効果への疑問や野生動物絶滅の危険性から，政策の総合化や科学的知見に基づいた施策の実行が求められるようになった。 その結果1999年『鳥獣保護及ビ狩猟こ関スル法律』が改正され，保護管理注という概念を含んだ『特定鳥獣保護管理計画制度』が創設された。