表計算ソフトによるレクリエーション、サイト評価の実証的検討

摘要

身近なレクリエーション、サイトとして農村の持つ役割は以前に増して重要となってきている。 レクリエーション、サイトを地域の資源として認識し，農村計画の中に積極的に位置づけていくためには，そのレクリエーション、サイトの資源としての価値を評価していく必要がある。そのための方法として，トラベルコスト法がある。そして，その実践性は本学会でもすでに検討されているところである。 トラベルコスト法は，非市場的評価法のうちでは顕示選好法に分類され，早くから研究が進み，その適用可能性が十分に吟味されてきたものであるが，CV（Contingent Valuation）と比較すると日本での適用事例はあまり多くない。 それは，トラベルコスト法がその実施過程にモデル構築を不可避に含み，その部分は専門家でないと扱うのが難しかったという理由が考えられる。 しかし，そのような状況も変わろうとしている。Cooper（2000）は，二肢選択CVにおいてノンパラメトリック推定を実施するためにKristrom（1990）によって用いられたアルゴリズムをトラベルコスト法のデータに適用する方法を提案したのである。 しかしながら，そのアルゴリズムの実行の仕方は通常のPAVA（Pooling Adjacent Violators Algorithm）とされるものとは異なっており，その変更の根拠は明らかにされていない。