候の異なる条件下で飼育した雌雄サラブレツド種 育成馬の成長と内分泌機能変化の比較

摘要

気候の異なるJRA日高育成牧場と宮崎育成牧場で飼育した雌雄サラプレッドの成長と内分泌機能に ついて比較した。2003年から2010年に生まれた雌雄サラブレツドを用いた。ゥマは、1歳の9月から2歳 の4月までの7ヶ月間を日高育成牧場あるいは宮崎育成牧場で飼育した。成長の指標としては、体重、体 高、胸囲、管囲を1ヶ月に1回測定した。内分泌機能の指標としては、プロラクチン、黄体形成ホルモン (LH)、卵胞刺激ホルモン（FSH)、インスリン様成長因子（IGF-1)、プロジェステロン、テストステロおよ びエストラジオール-17/3の血中濃度を測定した。成長に関しては、雌雄ともに7か月間の体重、体高、胸 囲、管囲の4項目の全てにおいて宮崎育成牧場で育成した馬（宮崎育成馬）が日高育成牧場で育成した馬 (日高育成馬）よりも増加率が有意に高い値を示した。内分泌機能に関しては、雄では、宮崎育成馬力、'LH、 FSH 、テストステロン、エストラジオール-17 /3及びIGF-1の血中濃度が日高育成馬に比べて高い傾向を 示したことから、宮崎育成馬が成長ホルモン（GH) -IGF-1軸と性腺刺激ホルモン放出ホルモン（GnRH) LH/FSH'精巣軸の活性が高いと推察された。雌では、血中エストラジオール-17/3濃度が宮崎育成馬で 高い傾向を示した。排卵時期に関しては、日高育成馬では、12頭中2頭（16.7%)が、宮崎育成馬では、18 頭中7頭（38.9%)が4月以前に排卵したと推定された。以上の結果から、雌雄ともに宮崎育成馬が日高育 成馬よりも身体と性腺の成長が早いことが判明した。