EQUINE PODIATRY Section IV ： LAMINITIS 蹄葉炎の病理(Christopher C. Pollitt)

摘要

蹄葉炎の研究は進み、以前より病態は明らかとなってきた。しかしながら、研究が進んだことでさ らなる難問や想像していた結果と異なるデータが導きだされ、蹄病を扱う者を困惑させている。蹄葉 炎は、負重性のものと、繁殖牝馬にみられるものと、炭水化物多給で見られるものと、全身性疾患に 併発するものとでは、どうも病理発生が同じではないこともわかってきた。一方で、「それなら、ど うして同じ病態が起こるのだ？」という至極もっともな疑問も払拭されていない。今回は、ミスター蹄葉炎という異名をもつオーストラリア、クイーンズ大学の名誉教授Christpher Pollitt博士がまとめ た実験発症による食餌性蹄葉炎の病理所見をご紹介する。紹介する文面は、Andrea E.Floyd獣医師と Richard A. Mansmann教授が編集したEquine Podiatryというタイトルの単行本からの抜粋である。 炭水化物多給による食餌性蹄葉炎の病理をもつとも詳しく研究したPollitt博士の分かりやすい解説文 であることから、翻訳の価値があると判断した。なお、出版社からは商業目的でない翻訳は許可する力、 図表の掲載は有料であるとコメントをいただいた。読者には申し訳ないが、高額要求であつたため、 今回、説明用の図は我々が研究で用いた症例写真を使わせていただく。また、現在、教科書出版時に はなかった病理スコア4を、pollitt博士の共同研究者であり弟子であるAndrewvanEpsが提唱して いることから、これを加筆した。わかりづらい説明には、訳者注）をつけたので参考にされたい。