蹄葉炎にみられる蹄葉状層の基底膜異常の病理学的研究

摘要

近年，蹄葉炎の本質は，葉状層に存在する基底膜の異常と疑われている。 しかしながら，基底膜損傷を検証した報告は少ない。そこで，我々は，基底膜を構成する代表的な2つのコラーゲン；4型コラーゲン（Col．4）と7型コラーゲン（Col．7）に注目し，免疫組織化学的手法を用いて蹄葉炎の基底膜異常を証明しようと試みた。 正常馬1例，および蹄葉炎を発症後2日から1ヶ月経過した症例馬6頭の発症蹄部から葉状層を採材した。その後，メタノールカルノア固定，さらにパラフィン切片を作製し，H、E染色，マッソン、トリクローム染色，PAS反応を行った。次いで，抗Col．4ポリクローナル抗体および抗ヒトCol．7モノクローサル抗体による免疫組織化学的染色を行った。