耕作放棄地対策の現状と課題

摘要

農林水産省は、「二〇二年度を目途に農業上重要な地域を中心に耕作放棄地を解消する」との目標をかかげてきた。　二〇〇五年農林業センサス結果によれば、耕作放棄地は全国に三八、六万ha存在する。食料自給率五〇％の政策目標を達成するためには、自給率の低い麦、大豆、飼料作物を増産し、米粉用米、飼料用米、発辞粗飼料用稲（稲WCS）といった新規需要米を水田の高い生産力を活用しながら増産する必要がある（水田フル活用対策）。他方で、耕作放棄地のうち当面一〇万ぬを再生させ、自給率向上のための生産基盤に加えていく必要がある（耕作放棄地再生利用対策）。そうした考えからの耕作放棄地解消対策であった。