ロールプレス法による木材への液体注入（第2報）試験片寸法および加工条件が液体注入量に及ぼす影響

摘要

含水率12％の無欠点スギ板目材（Crypomeria japonica D．Don）を用いて，ロールプレス液中圧縮法による液体注入処理を試みた。 試験片寸法および加工条件が液体注入量および曲げ性能に及ぼす影響を調べたところ，以下の結果が得られた。 1）長さ500mm以下，厚さ6mm以下では，加工材寸法の縮小に伴い，液体注入量は増加した。 また，加工寸法の増大に伴い，曲げ性能は低下した。 2）浸せき後3分以内における単位時間当たりの注入量の増加率は，圧縮率に比例して上昇した。 3）加工材の送り速度は，1～12m/分の範囲で，液体注入量および曲げ性能に影響を及ぼさなかった。 4）圧縮／浸せき繰り返し処理によって，試験片寸法に因らず液体注入量は増大した。 曲げ性能は，厚さ8mm材の60％圧縮において繰り返し回数の増大に伴い低下した。 それは，縦割れ，表面割れが顕著に発生した加工条件であつた。