ニシュウチャのうつろひ

摘要

日高育成牧場の一年は本格的な夏の訪れ時に開催される、セリ市場における抽せん馬の購買から始まります。 そして、競走馬になるべく馴致、調教を重ね、翌年の春に購買希望馬主に対して行われる、公開調教および配布をもつて終わります。 雄大な大地のもとでのびのびと育ち、教育を受けた馬たちは、その年の夏競馬からさっそく競走馬としてデビューします。 抽せん馬は夏競馬に欠かせない存在です。 そもそも指せん馬制度（競馬会が購買し、一定の価格で指せんによつてその会員に分僧己する制度）のはじまりは明治17年（1884年）の不忍池でおこなわれた競馬における抽敦馬の記録にみることができます。 この抽せん馬制度により、日高育成牧場の歴史の幕は開きました。 近年では、国際化の波を受け、国際競争力をつけることが望まれており、これに対処すべく、日高育成牧場敷地内に、軽種馬育成調教センター（BTC）が設立され、日高育成繚合施設として、調教施設が拡充されています。 さらには研究施設（生産育成研究室）も新設され、科学的根拠に基づく、育成法も取り入れ始められています。 今年はBTCが設立されて10年を迎えました。 これを磯に日高育成牧場の歴史を振り返つてみようと思います。