乳頭裂傷の手術と術後処置

摘要

繋ぎ（スタンチョン）飼養され，2産分娩後4カ月経過したホルスタイン種乳牛が右前乳頭に乳管洞乳頭部に達する裂創を負っているのが朝の搾乳時に発見された。 右前乳頭の乳頭壁外側面が乳頭基部から2つの三角形の弁を形成し，花びら状に反転した裂創が形成されていた（写真-1）。 この分房のPLTによる乳汁検査は陰性であった。 2％キシラジン静脈内投与による左側横臥保定および乳頭基部の2％リドカインによるリングブロック下で乳頭縫合（受傷後およそ5時間経過）を行つた。 最初に創を滅菌生理食塩液で洗浄し，裂創周囲の乳頭皮膚を洗浄剤入り7.5％イソジン液（手術用イソジン液）で擦り洗いした。 再び乳頭皮膚と裂傷を生理食塩液で十分洗浄した。水分を滅菌タオルで拭き取り，2％イソジン液を噴霧し，滅菌ガーゼで拭き取る操作を2回実施した。