呼吸器疾患の画像診断8：画像診断を実践する(前編)

摘要

これまでに胸部レントゲンと肺エコーによる画像診断に ついて紹介をしてきた。今回からはこれらの画像診断の実践編である。胸部レントゲン検査をCow-Side Test (牛の傍 ら検査)で行うには.ハード的な制限だけでなく読影にもか なりの知識と経験を要するため，制限も人きいだろう。そ の一方で.子牛や育成牛では繁殖検診用のリニァプローブ さえあれば肺エコー検査はほぼ可能である。アーチファク トを利用していることもあり，特徴的な画像さえ理解して しまえばそれほどの熟練を必要としない。したがって，往 診では望診，視診，触診による身体一般検査所見，呼吸音 や副雑音による胸部聴診所見，胸膜癒着の有無を評価する 胸部打診を診断の中心に据え.肺エコーでこれらの所見に よって得られた診断の裏付け.または予後判定を行うこと になるだろう。それゆえに，臨床獣医師は，肺エコー所兄 で得られたものが何であるのかを理解する必要がある。今 回は，胸部レントゲン所見.肺エコー所見，マクロ病理所 見をリンクさせて呼吸器の実践的画像診断について紹介す る。