高病原性鳥インフルエンザにみる緊急時の対応

摘要

2008年4月，韓国の採卵鶏農場でH5Nl型の高病原性鳥インフルエンザ（以下，HPAI）が発生した。 その後，韓国全土に拡大し，5月12日までに42農場で発生が確認され，約846万羽の鶏やアヒルが殺処分された。 一部の報道では，HPAI発生直後に異常を認めた農場から，感染した家きんを流通させたことが，蔓延を防止できなかった原因だと報じており，初動防疫がいかに重要かを示している。また，我が国でも，ほぼ同時期に秋田県，北海道，青森県で死亡したオオハクチョウから相次いでH5Nl型のウイルスが分離された。