APVS開催記⑤（最終回）アジアにおける豚コレラおよび口蹄疫の概要

摘要

第1回アジア養豚獣医学会（1st Asian Pig Veterinary Society Congress）が2003年9月21～23日の3日間韓国のソウルで開催され，「アジア地域の豚コレラおよび口蹄疫の概要」について講演したのでその概略について紹介する。 豚コレラは，国際獣疫事務局（0IE）の危険度分類で危険度の最も高いリストA疾病に，わが国の家畜伝染病予防法で法定伝染病に指定されている等，養豚産業の振興および国家防疫上きわめて重要な疾病に位置づけられている。 アジア地域では，わが国を除いてタイ，ラオス，ミャンマー，カンボジア，マレーシア，ベトナム，インドネシア，フィリピン等で依然発生が続いている。 中国および北朝鮮の状況は報告がなされていないので詳しい状況は不明である。 日本が平成8年に豚コレラ撲滅事業に着手して以来，台湾，韓国でも撲滅討画が開始されたが，口蹄疫の侵入や豚コレラの再流行等で撲滅には至っていない。韓国では，2003年3月に再流行が認められ，現在，済州島以外では一時的にワクチン接種が行われている。 昨年からフィリピンでも国をあげての撲滅討画が始まっている。