すベては〝畜産農家の利益″のために信頼厚き臨床獣医師

摘要

「農家から畜産農家でよかったという声を聞くとき，獣医師であることの喜びを感じます。 センターをここまで大きくできたのは，自分を頼りにしてくれた畜産農家のおかげです。 この利益は畜産農家に還元していきたい。 これからも農家のよきパートナーでありたいのです」と語るのは，㈱山形県くみあい畜産研修センター所長の勝見晟獣医師である。 「獣医師になろうと思ったのは，家が農家で動物に接する機会が多かったこと，一番の理由は父親に獣医になるよう勧められたからで，本当は船乗りになりたかったのです（笑い）。 大学時代は学生運動に参加していて，研究室には入れませんでした。だから卒業論文を書くときは苦労しましたが，単位や国家試験はなんとかクリアしました」という。 麻布獣医科大学卒業後，山形県農林部畜産科に勤務。繁殖障害と栄養障害の実態を調査しながら，合間には臨床も行った。 11年間勤務の後，人事異動で県内の他の地域の家畜保健衛生所へ異動することに。しかし，地元の畜産農家から，ここに民間の診療所をっくるからとどまることを強く求められ，退職。 「退職にあたっては，大変悩みました。 まわりの人からどうしてやめるのかとも言われました。 しかし，農家の方々から一緒にやっていきたいと言われ，決心しました」退職後，勝見氏のためにつくられた村山畜産振興協会家畜診療所に勤務。