第9回森林施業研究会シンポジウム長伐期施業の可能性を探る

摘要

現在の「長伐期化」は，不採算による伐］采の先送りとし、う性格を多分に持つでいる。これを「長伐期施業」に高めでし、くためには，経営目的の根拠となる機能や，それを積極的に実現しでいくための技術が，まず検討されなければならない。 シンポジウムは4人の講演者を得で，その一端を議論しようとしくうものである。 長伐期林の経営目的は，まず，やはり木材生産だろう。 高齢林の成長と蓄積はどのようなものであろうか? 鹿児島大学農学部の竹内郁雄氏は，吉野の100年生から230年生に至る高齢人工林での調査から，高齢木でも伸長成長は持続し，若い個体と変わらない直径成長や形状比を持つことを見し、だした。 その結果，高齢級においでも林分の成長は衰えないだろう。 このことを秋田県林業技術センタ一の澤田智志氏は，秋田地方のスギの人工林や天然林の解析より実証した。 これらは既存の予想を超えた現象であり，密度管理図（竹内氏）や地位曲線（澤田氏）の見直しが必要であるとし、う。 このような高い成長はどうしで持続するのだろう? 高齢な大径木の呼吸量や，高齢林がつくりだす環境の成長へのフイ－ド方?ツクなどを検証する必要性があると澤田氏は考えでいる。