民主政権下で外務省主導の貿易自由化交渉の動きが活発化

摘要

民主党を中心とする鳩山新政権が発足して3カ月日。農業者戸別所得補償制度をはじめとして、政策の詳細が次第に明らかになりつつある。一方で、酪農関係者にとって新たな懸念材料となりかねない動きが出てきている。外務省主導で経済連携協定（EPA）や世界貿易機関（WTO）の貿易自由化交渉を進めようとの動きだ。発端は10月27日に外務、農水、経済産業、財務の関係4大臣による閣僚委員会の設置を決めたことに始まる。提案したのは岡田克也外相で、同日には外務省内に自らを本部長とする「EPA、WTO推進本部」を設置し、初会合を問いた。　岡田外相はこの日の会見で「EPA交渉、WTOドーハ、ラウンド交渉について政治主導で物事を動かしていくため」と狙いを説明。何を議論するのかについては「現在、既に交渉が始まっていて遅延しているものについて交渉を前進させるための議論を有っていきたい」と述べ、オーストラリアや韓国をはじめ、既存の相手国との交渉を再び進展させる考えを示した。民主党がマニフェスト（政権公約）に掲げた日米自由貿易協定（FTA）については「今すぐそういう議論をするという予定はないj　と述べた。