他業種への移行や廃業な どで酪農家の点在化進む

摘要

岐阜県に乳用牛が初めて導入さ れたのは明治8年で、各務郡芥見 村（現岐阜市）の柴田三郎ら4人 によって開かれた牧羊場が、国か ら乳用雌牛3頭、雄牛1歲と馬な どを借り受け、牧羊場運営のめど がっくまで県費で飼養された。以来、摔乳業者が摔乳、処理、 販売を行い、明治20年には県内21 町村で68頭の乳牛が搾乳業者に よって飼養されていた。生乳生産は、昭和初期まで搾乳 業者によって行われたが、このこ ろから乳牛を飼養し、搾乳、処理、 販売までを考える農家も現れた。 これらの農家は、第二次世界大戦 で、労力、資材、飼料不足が深刻となり、乳牛の飼養管理も困難と なったことから近隣の農家に預託 し、乳牛は分散した。