捕食寄生蜂2種のブナハバチ繭への寄生生態

摘要

ハバチ類の重要な天敵の一つどして捕食寄生蜂（以下，寄生蜂）が知られている（例えばMorris et al. 1937).神奈川県の丹沢山地のブナFagus crenataを失葉させ衰弱、枯死させているハバチ科Tenthredini-daeのブナハバチFagineura crenativoraでは，これまでに丹沢山天王寺尾根において2科4亜科11種の寄 生蜂が知られている（谷脇、渡辺2012).このうちブナハバチ繭から羽化するヒメバチ科Ichneumonidae トガリヒメ ノ、'ナ亜科CryptinaeのApfesis 属, Endasys fm, MedophronJm, favralh, Glvphicnemis Kの一き の種は繭内に産卵する外部寄生性殺傷寄生者ビされている（Townes 1970; Wahl 1993)が,ブナハバチ繭 から羽化する種がブナハバチの前蛹あるいは蛹に一次寄生するの力'，すでに寄生している昆虫に二次寄生 するが，またはその両方に寄生するのかは不明であった.今後，寄生蜂によるブナハバチの密度抑制作用 を検討するうえで，各種の寄主を明らかにするこどが不可欠ど考えられる.