脂肪酸添加が泌乳牛のルーメンおよび全消化管での栄養素消化率に及ぼす影響

摘要

一般的に，油脂は乳牛用飼料のエネルギー濃度を高めるために用いられる。油実額とその製造副産物や動物性油脂などの脂肪酸は飼料中3％まではルーメン内微生物の増殖やルーメン機能を損なわないとされているが，脂肪酸増給による脂肪酸消化率への影響，また，他の栄養素の消化率に及ぼす影響については定かではない。 さらに，脂肪酸給与は，栄養素の消化部位をルーメンから腸管へ移動させ，飼料の消化率を低下させるかもしれない。 また，特殊な脂肪酸給与による飼料摂取量の減少は，ルーメン通過速度を低下させ，結果的にルーメンでの消化率は高まるかもしれない。