鹿児島県指宿市のエンドゥおよびソラマメ栽培地域における ハモグリバエ類の種構成および個体群密度の変動

摘要

鹿児島県はエンドゥPisum sativum L.ゃソラマメ Vicia faba L.等の未成熟マメ類の生産が盛んであり. その生産量は国内の3~4割のシェアを占める全国最 大の生産地である（農林水産省，2016)。これらのマ メ類は本県南部に位置する指宿市において7-8割が 生産される。近年の有力栽培品目であるスナップエンドゥおよび ソラマメは，8月下旬から翌年5月まで栽培されるが, 生産過程の中で問題となる害虫の一つがハモダリバエ 類である。ハモグリバエ類は多くの野菜および花き類 を加害する農業生産上重要な害虫である（徳丸， 2008) oマメ類は登録農薬が少ないこともあり，生産地からは効果的な防除技術の確立が求められている。 鹿児島県の主要野菜および花き等におけるハモグリバェ類の発生種については.田ら（2008)により調査さ れ.ェンドウおよびソラマメにおける主要発生種はマ メ/、モ：7リノくェLirwmyza trifoui (Burgess)およひ トマトノ、モグリノL. sativae Blanchardであること が知られている。しかしながら，生産地においてハモ グリバエ類の種構成およびその季節的変化を詳細に調 ベた研究は見当たらない。ハモグリバエ類は種によつ て殺虫剤感受性（徳丸、山下，2004;徳丸ら.2005) および生物的特性（徳丸、阿部.2003 ；徳丸、阿部. 2005)が異なるため.発生種を詳細に特定することは 防除技術を確立する上で極めて重要である。