大分県の夏秋ピーマンにおけるミ力ンキイロアザミゥマ個，の 薬剤殺虫効果とスピノサド感受性低下個体群の初確認

摘要

大分県内のピーマンほ場で採集したミカンキイロアザミゥマ5個体群に対して，主要な24薬剤 の殺虫効果を評価した。全個体群に対して殺虫効果が高かったのは.有機リン系のプロチォホス およびDMTP,フエ二ルビラゾール系のフィプロニル，METIのトルフェンビラド，グループ UN (作用機構が未特定）のピリダリルであった。個体群間で差異があつたのは.有機リン系の ァセフェート，マラソンおよびMEP,スピノシン系のスピノサドおよびスピネトラム.アベル メクチン系のエマメクチン安息香酸塩，ピロール系のクロルフエナビル，ベンゾィル尿素系のノ バルロンおよびルフェヌロンであった。スピノサドに対するLC50値は，殺虫効果の低かった2個 体群ではそれぞれ323.0ppm, 166.3ppm,感受性比はそれぞれ65.9, 33.9と感受性低下が本邦で初 確認された。スピノサドに対して感受性低下した個体群は，いずれもスピネトラムに対する殺虫 効果が低く ，両剤の間において交差抵抗性が示唆された。