乳牛における分娩後の 血中iff-ヒドロキシ酪酸濃度と疾病発生および繁殖成績との関連

摘要

愛知県内8農場523頭の乳牛について，分娩後7日の血中BHBA濃度とその後の疾病発生および繁 殖成績の関連を調査した。血中BHBA濃度がl,200〃mol/L未満の健常群（A群），l,200mumol/L以上3,000 mumo/L未満の潜在性ケトーシス群（B群），3,000 〃mol几以上の臨床型ケトーシス群（C群）の割合は それぞれ84.9, 12.0, 3.196であった。第四胃変位，周産期病の治療割合はC > B > A群であり，周産 期病の平均治療回数はB 〉 A群かつC 〉 A群であつた。繁殖成績も有意差はみられなかったものの， B群が悪かった。潜在性ケトーシスによる繁殖成績悪化の可能性と，周産期病治療がそれを緩和する 可能性が示唆された。分娩後の血中BHBA濃度測定を潜在性ケト一シス早期治療ならびに群管理改善 と結び付けることにより，生産性と繁殖成績改善の一助となる可能性が示唆された。