微生物群混合飼料を用いたブロイラーの鶏糞堆積飼料の評価

摘要

われわれは，畜産振興に大きな阻害要因として顕在化している畜産環境問題に閲し，県内一地域において他の畜種に比較し，特にブロイラー部門の約8割が微生物および酵素系資材等の利活用による農家独自の対策を講じている実状を報告した。同地域では，ブロイラー農家4戸において微生物系飼料を活用した鶏糞堆積飼養法（堆積法）が導入されていた。堆積法は，飼料に微生物系資材を添加し飼育する方法で，出荷後の鶏糞搬出や空合期間内の水洗，消毒工程を省略することで極端な省力化と低コスト化を削旨したものであり，従来の衛生面を重視した飼養管理に比較し大きく異なる飼養法である。 これはサルモネラ感染防除のための競合排除法（CE法）とまったく異なるものである。 本堆積法については一部情報として知るのみで，衛生対策上驚嘆の念が先行する程であった。 したがってその実態，効果さらには評価等知識はきわめて乏しい状況であったため，実態解明の目的で1農場において，堆積法の開始前後の各種成績を中心に比較検討を行ったのでその概要を報告する。