高泌乳牛における繁殖障害の危険性を無くすタンパク給与（2）--蛋白過剰が繁殖機能を抑制する古典的メカニズムと新たな対策体系--

摘要

より多くの乳量の生産を目的として，泌乳牛を飼育する際には，反袈動物の生理機能の限界付近での精密な飼料給与の調節が求められる。しかも泌乳牛では，乳生産の最盛期に次の子供を作るための繁殖を開始しなければいけないため，管理はより一層に困難になる。反袈動物では，効率的な生産と疾病の予防を両立させる飼料給与のためには，いかに反袈胃内の微生物群の生態系，ならびにそれらによってもたらされる発酵産物を，宿主にとって都合の良いように誘導するかが重要になってくる。