蹄底潰瘍多発農場における飼料給与量変更の効果

摘要

蹄底潰瘍が多発した高泌乳牛群において，蹄病処置の際，角質化が遅いと感じられた。 さらに，本牛群は低乳脂肪ペナルティーを受けていたことから，粗飼料不足によるルーメンアシドーシスを疑った。 そこで，バルク乳成分等を調査したところ，P／F比が0．9を超える時期に蹄底潰瘍が発生する傾向であった。 これに基いて，粗濃比を36：64から40：60に変更したところ，乳脂肪率は増加しP／F比は低下した。 それに伴って変更後は低乳脂肪ペナルティーを受けず，蹄底潰瘍の発生も減少した。 タイストールにおける通常の牛床環境で，蹄角質が非常に柔らかく蹄底潰瘍が多発する場合は，バルク乳成分をモニタリングすることが有用であると考えられた。