出生前後の胎子副腎皮質と肺の生理

摘要

乳牛の子牛共済制度が平成16年度から開始され，徐々にその損害の実態が明らかになってきた。 平成17年度の乳牛死亡廃用率に新生子の占める割合は7．1％と当初の予想を大きく上回るものであった。 また，従来子牛疾病の対応は下痢と肺炎を中心に考えられてきたが，実際は分娩時死亡，呼吸障害および虚弱症候群を含めた新生子異常が最も重要な課題であり，平成17年度（全国）における新生子異常は，胎児新生子死亡廃用の74％を占めることが報告されてVlる10）。 そのような背景の基に，この稿では新生子異常への対策を考える上で，最も関連する分娩と呼吸生理について述べる。