牛の皮膚糸状菌症に対する治療の検討

摘要

黒毛和種子牛を飼養する1農場で，以前より人畜共通感染症である皮膚糸状菌症が多発していた。 皮膚糸状菌症に対し，イオウ製剤，ナナフロシン製剤，サリチル酸とフェノール合剤，クロトリマゾール製剤，強酸性電解水，塩化ジデシルジメチルアンモニウム希釈液および農場従来治療法を用いて治療試験を行い，それぞれの薬剤の有用性を検討した。 その結果，効果的な治療薬は，イオウ製剤，ナナフロシン製剤であった。 イオウ製剤は，現在最も多く使用されているナナフロシン製剤と比較し，同等の治療効果が認められ薬剤単価も4分の1程度と安価なことから，治療薬として有用であると考えられた。