全農安全システムにみるトレーサビリティ - 客観的な検査、認証を経て流通させる仕組み

摘要

食品の不信感の源には大さく分けて二つある。 一つは食品の安全性に関するもので、一定の基準を守れなかったために毒物が混入したり賞味期限を守らなかったりしたものである。 そしてもう一つは偽装に関する不正事件である。 これらに対する対策には、これまでもバラバラな対策が交差したことがある。 国民生湾センターでの調査（二〇〇二年十月から十一月、三、〇〇〇人対象、回収率七〇、七％）　 では、こうした食品の不祥事で消費者の八～九割が購責行動を変えるとする結果が出た。 問題となった事業者の製品を買わないようにするなどの具体的行動を、ある一定期間をおいても「現在も継続している」、「継続しているものもある」とする回答が八～九割を超えた。 一度信顔を落とすと回復するまでに時間がかかるということを示している。 BSEの問題では、発生後の消費が五〇％ほど落ち込み、全頭検査などをしてもその割合がなかなか回復しなかったというものもある。これはどのメーカ，の責任ではなく、消費者側がこの検査を情報として得ることができなかったからだとも考えられる°　これは同時に、単純に安全性が安心感につながることでほないことも示している。 今は牛肉消費は盛り上がってきているが、きちんと検査をしているというの　がやっと評価されてさたというこ　とかも知れない。全農は安心システムというのを　 二〇〇〇年からはじめており、そ　 の概要を以下に紹介する。