気を付けよう！紅まどんなの病害虫防除: 病害編

摘要

新品種「紅まどんな」の苗木定植および高接ぎによる更新は、それぞれに問題となる病害が発 生し栽培に支障を及ぽしている事例が見られます。これまでに県下で問題となった病害につい て紹介します。本病は、温州みかんや「せとか」など一部品種 で顕著な病徴を示します。春に伸長する枝には 船型葉やさじ型葉が現れ、重症なちのは新梢の 節間がつまり叢生し樹全体が萎縮します。また 果実は奇形、小玉化し、さらに糖度低下など果 実品質も低下させます。果実にモザイク症状を引き起こすカンキッモザイクウィルス（CiMV) は遺伝子解析により現在ではSD Vと近縁種と され同じグループとされています。なお、2001 年の県内におけるSDVグループの発生調査で は、CiMVが最も多く確認され、次いでSDVと なっています。このため現在多くの品種で発生 が見られる温州萎縮病はCiMVによるものが多 いと考えられます。伝染方法は、接ぎ木伝染と 土壌伝染ですが、土壌伝染は本病の特徴であり、 一度でも園地内に発生するとウィルスを園地か ら完全に除去することが困難となります。