くだものマIケティング講座 第五回 グローバル化に適応するリンゴ生産の可能性-知的財産権の強化と生産者ネットヮークの役割-

摘要

先月号では、農産物の品種等に関わる制度面の変遷と日本産のリンゴの輸出入に関して説明した。本稿では、登録生産者のみが栽培.販売を許される制度(クラブ制)によるリンゴ生産の取り組みを検証する。なお、事例としては、世界的に栽培が進められている「クリプスピンク」(商標名「ピンクレディー~R」)の日本国内での栽.培および販売権をもつ日本ピンクレディー協会の活動を取り上げる。「クリプスピンク」は、西ォーストラリア州の研究機関が一九八〇年代に「レディーウイリアムス」と「ゴールデンデリシャス」を交配させて開発した品種である。品種の，育成者権は、西ォーストラリァ州の農業.食品省が有しており、「pink. Lady~(TM)」という商標の下で販売されている。