果樹病害の最近の動向と防除策第11回 長崎県における ビヮ病害の最近の傾向と防除策

摘要

「ビヮ」は長崎県を代表する果物として位置づけられ、出荷量は約一一〇〇〇tと国内第一位の産地であり、シェァの三割強を長崎県産で占めている(表1)。県内には古くからの産地が長崎半島の茂木地区を中心に広がつているほか、離島も含めた各地に中-小規模の産地が点在しているが、近年は消費の低迷や高齢化などの要因から、栽培面積や出荷量は漸減傾向を示している(図1、2)。本県のビヮ産地では、がんしゅ病、たてぼや病をはじめ種々の病害が発生して生産上の問題となつているが、発生状況は園地の立地や管理の状態などによつて大きく異なり、一様ではない。このため、ビヮの病害発生状況の全容を網羅的に示すことはできないが、ここでは、県卞を押し並べて問題となつているいくつかの病害を取り上げて発生状況と防除対策について述べる。