果樹病害の最近の動向と防除策 第5回 長野県におけるリンゴ病害の最近の傾向と防除対策

摘要

長野県では北部豪雪地帯を除き、ほぼ全県でリンゴ栽培が行われており、栽培面積、出荷量とも青森県に次いで全国第二位で、国内栽培面積、生産量の約二〇％を占めるリンゴの大産地である。　栽培品種は、多くの産地同様「ふじ」が圧倒的に多く、五割以上を占めるが、「シナイノスイート」「シナノゴールド」「秋映」といった本県育成の中生種の栽培面積が、近年増加しているのが特徴である。　南北に長い長野県では、気象条件は各産地によって異なり、また土壌条件なども大きく異なるため、病害の発生状況も産地により異なることが多い。最近では、気象状況の年次変動、地域間差も激しく、このような傾向はより顕著となってきている。