作期の短い軟弱野菜において殺虫剤効果判定試験のために害虫を安定的に発生させる方法

摘要

2003年の農薬取締法の改正にともない，これまで登録薬剤の少なかったマイナー作物等における登録が積極的に推進され，大阪府においてもシュンギク，ミズナ，コマツナなど，特産の軟弱野菜類を中心笹多数の殺虫剤効果判定試験を実施してきだ）。 栽培期間の短い作物では，（1）生育後期に試験を開始すると収穫期までに試験が終了しない，（2）生育後期には茎葉が繁茂して薬剤が葉裏に届きにくいために本来期待しうる防除効果が得られにくい，等の問題があり，試験開始適期は生育初期～中期である。 しかし，この時期には防除効果判定が可能なレベルの対象害虫発生量を確保できないことがしばしばある。 そこで，慣行の露地播種栽培（以下，慣行法）に代えてセルトレイ育苗を行い，育苗中に圃場の作物、雑草から採集した対象害虫を接種し，その後に定植することにより，必要発生量を確保する殺虫剤効果判定試験の方法（以下，セル苗法）を検討したので報告する。