産業利用成果トピックス4-放射光による塗布型有機太陽電池用薄膜の構造形成過程の追跡

摘要

有機薄膜太陽電池は，有機材料の可溶性を利用した塗 布プロセスでの大面積製造により低コスト製造が可能な 再生可能エネルギーとして大きな注目を集めている。有 機薄膜太陽電池の光電特性は活性層のナノ構造に依存す ることが知られており，その製造にあたっては塗布印刷 プロセスにおける薄膜形成?薄膜構造の制御が重要であ る。現在開発されている有機薄膜太陽電池の発電層の多 くは，P型半導体である導電性高分子とn型半導体であ るフラーレン誘導体を有機溶剤に溶かして塗布乾燥させ て製造する。その膜厚は数百nmと非常に薄く，樹脂 フィルム上に塗布することで，軽くてフレキシブルな新 世代の太陽電池（図1)として車載用や室内利用等の応 用分野の拡大が期待されている。