農業と地域経済の関連－北海道農業、非農業2部門モデルの構築と分析－

摘要

我が国農業の国内総生産に占める割合は年々低下しており，平成8年で約1．5％を占めるにすぎない。 このため，農業が個別に議論されることはあっても，日本経済の中で，農業が産業としてどのような位置づけを持っているかが議論されることは少なくなってきている。 しかしながら，他産業と同じく農業も，農業機械、肥料、農薬等の川上産業，食品加工、運輸、商業等の川下産業と強い関連を持っている。 特に地域的には，農業が地域の中核産業と認識されている場合が多く，統計に現れる数字以上に，農業は地域経済と密接な関連があると考えられる。 そこで本稿では，産業としての農業の位置づけが大きい北海道を対象として，ケインズ、レオンチェフ型マクロ計量モデル　 を作成してシミュレーションを行うことによって，農業と地域経済がどのような関連があるかを分析する。