直腸癌術後局所再発に対して高線量率組織内照射が奏効した1例

摘要

患者は55歳。 女性。 2仰2年11月。 下部直腸癌に対して腹会陰式直腸切断術を施行。 腫瘍は径23cmの2型，組織型はwell，進行度はmp，n3（＋）P0 H0 M(-)stage IIIbであった。 術後補助療法として5－DFUR800mgを約1年間投与した。 2003年12月ごろより会陰部痛が出現し，2004年3月，骨盤MRIにて会陰部に3cm大の胚膚を認め,　 生検にて腺癌との診断を得て局所再発と診断した。 全身化学療法（CPT－11230mg　 5′－DFUR800mg）を2クール施行,　 再発巣はPDと判断した。 次に,高線量率組織内照射54Gy/9Fr/5日間を施行した。 2004年9月に施行した骨盤MRIでは,　 再発巣はPRCEAは最大93ng/mlから10ng/mlに低下した。 高線量率組織内照射後,　 画像上はNCを維持し，会陰部痛も消失,　 CEAは正常範囲でコン十ロールできている。 切除困難な直腸癌局所再発例に対し，高線量率組織内照射は有用である可能性が示唆された。