モモ品種の変遷と今後の展望

摘要

日本の果樹産業を支えてきた代表的な育成 品種として，リンゴの「ふじ丄二ホンナシ の「幸水丄「豊水丄ブドウの「巨峰丄モモ の「白鳳丄「あかつき丄ォゥトウの「佐藤錦」 等を挙げることができます。これらの品種の 普及のもと，それぞれの樹種でさらに食味や 品質が優れ，栽培性に優ることを目標に品種 の開発は進められてきました。日本農業新聞(2014年1月10日発行）に掲載された全国の スーパーや百貨店，生協，外食，卸売会社な どを対象に調査された2014年果実の売れ筋ラ ンキングでは，1位がブドウの「シャインマ スカット丄2位がリンゴの「シナノスィー ト丄3位がブドウの「ナガノパープル丄同 率の4位，5位でカンキッの「紅まどんな」 と二ホンナシの「あきづき」が選ばれていま す。これらは全て近年育成された比較的新し い品種で，食味の優れる点や，区別性のある 特性から注目されています。本原稿では，我 が国におけるモモの主要品種の動向について 示すとともに，最近当所で育成された品種の 特性，また当所における今後の育種目標など について紹介いたします。