胃癌術後の卵巣転移に対して局所制御を目的にリンパ節郭清を伴う卵巣摘出術を施行した2症例

摘要

胃癌の卵巣転移に対して局所制御を目的にリンパ節郭清を伴う卵巣摘出術を施行し，比較的良好な予後を得た2症例を経験したので報告する。 ≈⒗?：40歳，女性。 MULE領域の胃癌に対し1989年6月2日，胃全摘，D3郭清術施行。 fStageIIIB，根治度Bであった。 術後56か月日に左卵巣転移に対し，リンパ節郭清を伴う両側卵巣摘出術を施行した。 病理診断は胃印環細胞癌の左卵巣転移で左外腸骨動脈リンパ節に転移を認めた。 卵巣摘出後51か月日に癌性腹膜炎のために死亡した。 　 症例2：23歳，女性。 M領域の胃癌に対し2000年11月1日，幽門側胃切除術，D3郭清術施行。 fStageⅣ根治度Bであった。 術後19か月日に左卵巣転移に対し，リンパ節郭清を伴う左卵巣摘出術を施行した。 病理診断は胃低分化型腺癌の左卵巣転移で大動脈周囲リンパ節に転移を認めた。 卵巣摘出後4か月日に腰椎転移が出現。 放射線化学療法を行い効果判定はPRであった。 2003年6月現在（卵巣摘出後12か月）新たな病変は認めていない。