下草使いで画竜点晴下草-飾りの名脇役

摘要

展示会場で席飾りを拝見していると、主木はすばらしいのに添えの下草が格下過ぎる、下草が主木とうまく調和していない、などの例に残念ながら出会うことがあります。 展示会への出品経験がおありの読者のなかにも、開催日が近付いてきて下草を棚場で慌てて見繕った、なんて思いをされた方がおられるかもしれませんね。 さらには鑑賞する側も「下草はチョイ役、エキストラみたいなもの」と下草を軽視しがちな風潮があるように思われます。 しかしながら、下草が充分に吟味されている席飾りはその席自体の格調を高め、見る者に大きな感動を与えてくれるもの。有り合わせのもので間に合わせればそれなりの効果しか発揮せず、飾りに合わせて吟味を重ねれば席自体の格をグッと高める、下草にはそんな不思議とも言える効用があります。そう、下草こそが飾りにおける名脇役と言っても過言ではないのです。