小品連載:樹格向上の傾向と対策

摘要

枝棚が充実し、すぐにでも鑑賞できそうな状態の杉です。 新芽が伸びだしているためにやや膨らんで樹姿が乱れていますが、芽つみできれいに棚を整理すれば問題ないように思えます。 しかし、漆畑氏はこの樹に対して切り込み不足を指摘しました。 　 充実した枝ですが、内部を確認すると枯れて茶色く変色したフトコロ芽などを多数見つけることができました。 これは芽つみだけが繰り返された結果、枝が混みすぎて日照や通風条件が悪化し、枝枯れ等の症状を引き起こしたものと思われます。 杉や杜枚、真鶴は生長期に芽つみ繰り返すことで簡単に枝棚の充実を図れる反面、定期的に切り込みを施さないと枝が混んで培養環境が悪くなります。 切り込みは、春から梅両時期が作業の適期（新芽がひと吹きした今回、最初の芽つみを兼ねて行なうことにしました。